新卒タクシードライバーブログ

新卒でタクシードライバーを選んだ男の記録みたいなもの

自動運転タクシーというワード

自動運転タクシーっていうネーミングに違和感を感じる。

タクシーの定義がWikipedia曰く
タクシー(taxi)とは、運転手と車両とを貸し切る形で少人数の旅客を輸送する公共交通機関、およびその用に供する車両である。

らしいのでドライバーがいないんだからそれはネーミングとして自動運転レンタカーの方が近い気がします。

 

 

合法白タクシーの方法①

約2年前に上京して東京の地理が何も分からないので勉強のためにレンタカー借りて走った時に試しに無償でお客さんを乗せてみようかなと思ったのですが法律的にどうなんだと思い躊躇してしまいました。調べてみたら対価を貰っていなければ旅客運送業にあたらないそうです。なぜならば無償なら「客」に該当しないからだそうです。つまり違法行為ではありません。こちらから要求したら完全アウトですが要求してないにも関わらずチップを渡してきた場合は無償と言えるのかは怪しいですが。

また認可を受けずに合法かつ有償で旅客運送する方法があります。それは旅客運送業の「業」の部分に該当しないようにやる方法です。「業」の定義は「不特定多数」に「反復継続」する行為です。例えば家族内の人を相手に有償で運送を行う場合「業」の「不特定多数」の要件から外れるため違法行為ではありません(多分)。

というわけでやってみようかな。
無料タクシーサービス
と思ったら無料タクシー結構走ってました。
まじかー
後で乗らせていただきます。

新卒タクシードライバーの転職活動

転職サイトにこのように登録すると
第二新卒(24歳)
ドライバー歴1年半
タクシー、ハイヤー、バス、トラック会社からのスカウトがあります。当たり前ですが受け身な就活だと先は運転手しかないですね(しかもスカウトしてきた会社の一つに自分の勤めている会社があるという困惑)。相変わらず大学時代の食っちゃ寝ゲームライフが足を引っ張ります。
そのためドライバー以外を希望する自分は【業界未経験OK】という職場に飛び込まなければなりません。

人生ハードモードになってきて、中々面白くなってきたんじゃねえの。

 

 

 

 

辛い。

新卒でタクシードライバーになるメリット、デメリット

自分のキャリアのためにも新卒でタクシードライバーをするメリット、デメリットをざっくり考え直してみたいと思います。

【メリット】

第1に20代においては給料が高いこと。まだまだ年功序列の多い日本ではほぼ一年目から年収400万以上を実現できる職業は少数であり、しかもそれを実現するための資格が2種免許だけと非常に容易であるということ。若い時に貰えるお金が多いということは長期の資産運用ができたり、また若い内の自己投資ができたりとコスパが良いこと。10連ガチャ回せること。

第2に会社側からすると若手は貴重な人材であるため大切にされやすいということ。場合によっては(内勤でも班長でも待遇はそんなに良くないらしいですが)役職にもつきやすいこと。ちやほやされること。

第3にネット場ではなく現実で社会情勢の変化を感じやすいこと。世の中がどう回っているのか、なんとなく分かり視野が広がった...気になれること。東京だけですが転職する際に参考になること。

第4に異業種に挑戦して、失敗した場合でもドライバーとしてのスキルはあるためとりあえず食いっぱぐれることはないこと。

第5に個人タクシーを30代の内に開業できる可能性があること。50代や60代で開業するのに比べて個人タクシーの期間が約30年と非常に長いという旨味がある。自分が普通にサラリーマンになったと仮定した場合に比べてより良い生涯収入を期待できる。

【デメリット】

第1にドライバーである限り身につくスキルはそこが知れていること。生涯ドライバーで終えるならいいが、もし転職することになった場合、年齢を重ねるごとにドライバー以外の選択肢がなくなっていってしまうこと。

第2に歩合給と事故、違反により収入が下がる要素があり、経済的な信用が低いこと。住宅ローンを組むこと、結婚等が困難になりがちであること。

第3に福利厚生が不十分であること。公務員やそれなりの企業だったなら今後貰えるだろう退職金や各種手当が低かったり、そもそもなかったりすること。長く勤めれば、勤める程に給料の割にお金に苦労しやすいこと。ゴールデンウィーク、お盆、年末年始等の祝日でも基本は出勤な上に有給休暇が取りづらい仕組みがあること。毎月13乗務(26日勤務)で一年過ごすと公休が50日前後と完全週休二日制の企業と比べて公休日数が半分未満であること。

第4に生涯ドライバーとしての期間が長い故にイノベーション(自動運転化)が起こる可能性が高いこと。そしてそれによる失職の可能性が非常に高いこと。現在の40、50歳代ドライバーのように逃げ切ることが考えにくく他人事では済まされないこと。これに第1のデメリットが組み合わさると10〜20年後の中年層の頃にドライバーとしてのスキルしか持っていないのに、ドライバーが不要という手詰まりな状況が考えられる。また自動運転タクシーに携わるという明るい未来も想定できなくはないが、多分それはドライバーがやることなのか疑問だし、やれるのかも疑問。

そもそも個人タクシーを目指していた自分からすると致命的なデメリットなので現在こちら側。

 

以上です。なんか言い残しがある気がしますが、思いついたら追記しときます。んじゃまた。

 

 

なぜ大手タクシー会社が新卒採用を始めたのか考察②

去年から就活が売り手市場になったということで新卒でタクシー乗務員を選ぶ人は例年より減るんじゃないかと思っていたんですが、今年2018年は例年のほぼ倍の人数が私の勤めている営業所に入社予定だそうです。

その人数が営業所に来ると営業所の2〜3割が新卒乗務員になります。営業所に限りますがタクシードライバーの約4人に1人は新卒の時代が来るとは、その1人の自分が言うのもなんですが驚きです。

これは業界のイメージが変わりますね。それが会社の新卒採用に力を入れる理由だと1年前に書いた気がしましたがほぼ達成したんじゃないかなと思います。

 

そして恐らくここからが起きるであろう

ことが新卒タクシードライバー採用理由の本命だと私は思っています。

それは新卒社員増加による労働組合よりの乗務員が大多数の状況を改革することだと思います。現在、労働組合側の立場の乗務員は多数を占めていて会社としては意見を通し辛く、不都合が多いです。そこで新卒社員という出世を目指すためにも乗務員でありながらも会社側の立場で物事を考える乗務員を増やすことにより、会社の発する指令(例えば夜勤社員の増加、各種実証実験、乗務以外の作業等)とりわけ組合が声を上げるであろう乗務員に利が少なく負荷のかかる指令を通しやすくする、また通らないようなことは新卒だけに課すのが狙いと考えられます。新卒入社でそこに反発するということは今後のキャリアアップや同期の仲間意識に響きかねないのでほぼ断ることがないため、新卒採用は会社にとって都合のいい人材の増加に繋がるというのが力を入れる最大の理由だと考えられます。

 

そのうち大多数が会社よりの社員になって、会社は色んなことに挑戦できるようになり、乗務員はそこに不満ではなく、そこに使命感、やりがい、目的意識を持って会社の指令に答えていくwin-winな関係が生まれていくと思います。その中で新卒でありながらどちらかというと会社側ではない私は新卒多数の状況は居づらくなるんだろうなぁと思いました。

 

組合側で役員として活躍する新卒または若手が居ないと多分10年後は組合は形骸化するもしくは解散しているに0.0001BTC。

 

そもそも10年後に組合どころかワンチャン自動運転車によりタクシードライバーっていう職業がなくなるに1satoshi。

 

 

【近況報告】

久しぶりの投稿失礼します。速いことにタクシー会社に入って2年経とうとしています。半年前までは仕事に対して不満はあれど日々成長を感じていてなんやかんや楽しくこのまま10年やって個人タクシーなれたらなぐらいの気持ちで仕事をしてました。

しかし最近の自動運転の進歩を目の当たりにし、もしかしたら自動運転が公道を走れる未来が想定していたより速いんじゃないかという懸念が強まり、本当にこのままでいいのかと危機感を覚えました。 そして上記の展開を仮定するなら後2、3年で個人タクシーになれるならともかく、ここ1年で個人タクシー目指し始めたんじゃ間に合わないことはないにしても自動運転普及間近まで迫っているなんてことも考えられる訳です。そうすると個人タクシーになる進路は考え直した方がいいくらいにはリスクが高く、ドライバーを長期的にやる理由としてそれになるという目標を持っていた自分は長期的に勤める理由がなくなったので転職を視野に入れ、動き始めなければと思いました。

しかし仕事内容次第では疲れて動けないこと山の如しで12.13乗務が憎くてしょうがないのが現状。なら有休を取るべきですが予想通り昭和な文化色濃いタクシー会社には、社員がしっかり有休を消化することなんて想定されていないと想定しているので(勝手に)乗務はほどほどにして明け休みに活動できるぐらいの余力を残しつつ働いてます(さじ加減の調整が効くのがタクシー乗務員のいいとこだなとしみじみと思う)。という訳で転職活動を始めた報告です。

続けるにしろ、辞めるにしろ、自分が「なぜそうするのか。」と納得する答えを出せるように尽くしたい2018年です。

 

追記.一月分の有給取得できました。会社は社員が有給を消化することは想定されていたようです(想定外)。社風は完全に平成でした。

 

もう平成終わるけどな!

 

 

【酔客】面倒なお客様シリーズ

起きる、乗務、夏、暑い、だるい、疲れた、寝る×13セット=26日、残りの休日も寝て1ヶ月終了。花火大会、海水浴、旅行、お盆休みとかまるで現実の話とは思えない話を後部座席で繰り広げてくるフィクション大好きなお客様のお話に付き合ってあげるくらいにナイスガイなタクシードライバーでも辟易する面倒なお客様を今回は紹介します。

 

①酔っ払い……定番中の定番ですが一撃必殺の攻撃力と多彩なコンビネーションで乗務員を苦しめます。特に警戒すべき「車内嘔吐」は食らったら一発KO(営業終了)ものでエチケット袋を渡してしっかりガードしたいところ。袋を渡そうとしたところ「大丈夫だ」と言いつつ乗務員を安心させ一撃を放つパターンは非常に強力。

また「車内嘔吐」に対して「エチケットガード」に成功したとしても連携技の「吐物溢し(こぼし)」「臭気充満」が発動される可能性があるため「車内嘔吐」は防御するより、そもそもさせない、つまり予防するほうが大事である。

「降車様子見」→「ダイヤル110」は乗務員が行使できる優秀な対酔っ払いコンビネーションなので覚えておきたい。

またまた中々の攻撃力を持つ上に予防と防御困難な絶技「睡眠」→「ヨダレ」のパターンは理不尽さで言えばまるでハメ技。こちらも場合次第で営業終了の危険性がある。無理に続けた場合毎度お客様に「ここ濡れてますよ。」と指摘されたり、降車されたりと辛い展開が待っている。

またまたまた貴重な青タン時間を消耗させてくる「泥酔爆睡」も厄介で合わせ技「ココドコ?」、「運賃高クネ?」「オマエ遠回リシタロ?」「アレ金払ワナカッタッケ?」等、ハテナ系の発言は要注意。これらの合わせ技は十中八九、料金の値切りが狙いで対策を怠ると(運賃が)ダウンを取られるくらい攻撃性能が高く。応戦した場合、泥試合になりやすく守り抜いても時間と精神の消耗で損失が大きく、泥試合の末に自腹というあまりに残酷な事態を考慮すると先にある程度自腹してしまう方が金銭面はともかく精神と時間の消耗を抑えられるので一つの対応策と言える。そもそもこの発言を引き出させないように発進前に「ルート確認」、「目的地確認」は徹底するのが大事。

結局のところ「乗車拒否」が最強の対酔っ払い奥義(酷く泥酔したお客に対しては乗車拒否は可能)だがシラフ度が高かった場合「タクセン事案」になりかねない上にそもそも青タンに酔っ払いを避けてるようでは収入に繋がらないためお客様の状態確認能力は必須のスキルと言える。

因みにシラフの人が手を挙げて、タクシーを呼び寄せ、意識のない酔客を担いで来て「運転手さん、この人◯◯◯駅まで宜しく」と言って酔客を後部座席に「ぶち込み」乗車を申し込んだ本人は乗らない技「丸投げ」は「乗車拒否」がしづらく厄介な技である。